トルマリン 電気石
トルマリン 電気石
硬度 7~7.5
結晶系 六角柱、三方晶形
化学組成 Na(Mg,Fe,Li,Mn,Al)₃Al₆(BO₃)3Si₆O₁₈(OH,F)₄
色 無色、黒、緑、褐色、赤、青、黄、ピンク、
晶癖 柱状
光沢 ガラス光沢~油脂光沢
条痕 無色~白、灰色
劈開 なし
断口 不平坦~貝殻状
比重 3.0~3.2
透明度 透明~半透明
屈折率 1.61~1.64
その他
電気石は複雑で幅広い化学組成と、共通の結晶構造を持つ珪酸塩鉱物のグループ名である。このグループにはリチア電気石(エルバアイト)、苦土電気石(ドラバイト)鉄電気石(ショール)、リディコア電気石(リディコアイト)など、全部で11種類ある。色調の違いによる名称として、インディコライト(青)、アクロアイト(無色)、リューベライト(ピンク~赤)ベルデライト(緑)などがある。これらの名称は複数の電気石鉱物種に対して用いられているものもある。電気石の結晶は、白、無色、黒のもの以外のほとんどのものが二色性を示す。異なる色調の電気石が同心円状に配列した構造、いわゆる「塁帯構造」を示すことも多い。電気石は豊富に産出する鉱物だが結晶のきれいなものはペグマタイトや花崗岩の熱により接触変成を受けた石灰岩から産出する。電気石は風化作用に強いため、河床礫中に集まりやすい。トルマリンとは宝石の礫を意味するスリランカのシンハラ族の言葉、「turamali」が語源である。風化作用に強い電気石は、堆積岩の副成分鉱物になる。宝石品質の電気石の産地は多い。電気石は圧電性を持つことから、重要工業原料鉱物になる。例えば水深測定器や圧力変化を測定する機器に用いられている。また偏光板としてある種の光学機器に使われている。透明度の高いものは宝石としての価値があるが、ほとんどの電気石が暗色不透明で結晶鉱物標本にするには乏しい。もっとも産出する電気石はおそらく鉄電気石だろう。これは鉄に富んだ種類で黒くて不透明だが、長さ数メートルに達する巨大柱状結晶が産出することがある。苦土電気石はマグネシウムに富んでいる。宝石としてカットされることもあるが、熱処理によって色を薄めたものかもしれない。リューベライト(赤)とベルデライト(緑)の二色が同じ結晶にある時ウォーターメロン(スイカ)と呼ばれる