石英(スモーキークォーツ、ローズクォーツ、ミルキークォーツ、シトリン)
石英(スモーキークォーツ、ローズクォーツ、ミルキークォーツ、シトリン)
硬度 7
結晶系 六方晶系、三方晶形
化学組成 SiO₂
色 淡褐色~黒、ピンク、バラ色、黄、黄褐色
晶癖 柱状
光沢 ガラス光沢
条痕 無色~白
劈開 なし
断口 貝殻状
比重 2.7
透明度 半透明~不透明
屈折率 1.54~1.55
その他
スモーキークォーツ(煙水晶)は放射線による色で淡褐色~黒の石英のことを指す。茶色が有名だが、実際には黒のものも産出する。黒色の場合モリオンと呼ぶ場合がある。比較的産出量が多いため、石英の中では価値が低い。人工的に放射線を照射して着色した場合もある。また、色の濃いものは加熱処理を行い色を淡くし魅力的な色に変えている場合もある。他にもより高価なシトリン(黄水晶)として売るためさらに加熱している場合がある。スモーキークォーツの大きな結晶はペグマタイトから産出することが多い
ローズクォーツ(バラ石英)はチタンによるピンク色の石英である。バラ石英は1cm以上の水晶の外形を見せることはほとんどなく、塊状で産出することが圧倒的に多い。白っぽく濁るのはルチル(金紅石)の影響である。マダガスカル産のローズクォーツは結晶方向に注意してカボッションカットすればスターサファイアやスタールビーのように星形の反射光が見えることがある。古くから彫刻に使われていた。スモーキークォーツと同じくペグマタイトからよく産出し大きなものは数百kgの塊を作ることもある。ほとんどのローズクォーツはカットすると濁って見える
ミルキークォーツは結晶が育つときにバブルが包有されているためである。ほとんどの石英がこのようなタイプであるため価値は低い。しかし加熱したり放射線を照射したりしても特に変化しないため宝石としてあまり使われない。
シトリン(黄水晶)はトパーズに似た褐色の石英で、アメジスト(紫水晶)、スモーキークォーツ(煙水晶)が加熱されると変わる。人工的に加熱してシトリンにすることもある。アメジストやスモーキークォーツに比べてはるかにまれである。そのため実際に売られているシトリンのほとんどがアメジストやスモーキークォーツを加熱したものである。宝石品質のシトリンの産地としてスコットランドのアラン島、ロシアのウラル山脈、インドのハイデラバード、フランスのドフィネなどが知られている。