オパール (蛋白石)

オパール(蛋白石)

硬度   5~6
結晶系  非晶質
化学組成 SiO₂・nH₂O
色    白、無色、黄、オレンジ、ピンク、黒、赤、青、緑など
晶癖   塊状
光沢   ガラス光沢
条痕   白
劈開   なし
断口   貝殻状
比重   1.9~2.3
透明度  透明~半透明
屈折率  1.37~1.47

その他
オパールの名称は輝石を意味する古いサンスクリット語のupalusに由来している。オパールは固化したシリカゲルで、通常は光学顕微鏡で見えない程度の微細な隙間に重量比5%~10%の水を含んでいる。ほぼ完全な非晶質状態から部分的に結晶化したものまである。プレシャスオパール(貴蛋白石)は非晶質のタイプで、規則正しく積層した透明で微細な球状のシリカと、その隙間に埋まった隙間に水ができている。科学的に純粋なものは基本的に無色である。大部分のものは顧問オパール、またはポッチオパールと呼ばれる不透明なもので酸化鉄の包有により鈍い黄色~赤色を呈するもの、酸化マンガンや風紀炭素を含んで黒色を呈するものが多い。ポッチオパールはシリカを含むがサイズが不揃いである。オパールはシリカを含む循環水から比較的低い温度で沈殿してできたもので、ほとんどのものが岩石中にノジュールや錐乳状、脈状や皮殻状で産出する。オパールの産出国は多いが、特に温泉地帯には産出量が多い。また、珪藻や放散虫、海綿の骨格を作り、その遺骸は珪藻土などの堆積岩の重要な構成物質となる。他にも珪化木の構成成分にもなっている。珪化木は幹の外形と細胞組織を共に保存している。オーストラリアからはプレシャスオパールに変換された化石骨と貝類が産出している。石膏や方解石、長石などの鉱物がオパールに変換されている場合もある。プレシャスオパールができるには岩石中の静かな空間の中に清澄な水が保たれ、そこから長時間(数千年というスケール)かけて水分が徐々に抜けることが必要である。球状シリカは水溶液からゆっくりと沈殿することによって三次元的に規則正しく配列してできる。球状シリカの配列が規則的で、球体のサイズがある範囲の大きさがなければプレシャスオパールの遊色は見られない。級のサイズが大きいほど幅広い色調が現れる。プレシャスオパールは埋没変成作用の温度圧力条件下では不安定であることから、地質学的に若い時代に地下浅所で生成されたものと考えられる。19世紀までは今のスロバキアがプレシャスオパールの主産地だった。スロバキアのオパールは安山岩中に含まれている。他にもオーストラリアのクインズランド州やニューサウスウェールズ州などからも産出する。オーストラリアのオパール産出の歴史は砂岩やアイアンストーンのような堆積岩中からオパールが発見された1887年に始まる。ニューサウスウェールズ州のライトニングリッジでは希少で価値が高いブラックオパールが産出するブラックオパールは灰色~黒色の基質、あるいは青~青黒色の基質の中に飛び切り美しい遊色が現れるものである。1903年にこの産地が発見されるまではブラックオパールの存在は知られていなかった。今でもブラックオパールはオパールの中でも最もまれな種類である。量的にはオーストラリアが一番多いがインドやニュージーランド、ホンジュラス米国西部からも産出する。宝石になるもう一つのオパールのタイプはファイアオパールである。これは透明感のある基質に赤、オレンジ、黄、紫などの多様な色彩がきらめくように現れるものである。赤や紫、黄などの鮮烈な色調を含んだファイアオパールはもっと希少である。このオパールの主要な産地であるメキシコやホンジュラスでは、オパールは粗面岩の空間から産出する。これらのプレシャスオパールは滑らかに磨かれた局面が最も遊色が効果的に見えるのでカボッションに加工されることが多い。しかし、ファイアオパールは多面体にカットされることが多い。また、オパールは宝石としてではなく工業用としてもつかわれることがある。様々な形態のコモンオパールは研磨剤や断熱材、窯業材料として広く使われている。オパールはほかの宝石とは違い、ひび割れが生じたり、美しい色が損なわれたりすることがある。オパールは薄くても厚めの石英の片面に張り付けることにより重量感が備わり高級感が増す。ちなみにこれをダブレットという。他にもオパールを石英で挟み込んだものもある。これをトリプレットという。また、研磨した黒曜石の板にオパールを接着しブラックオパールに見立てたものもある。

宝石