石英(メノウ、瑪瑙、アゲート)

石英(メノウ、瑪瑙、アゲート)

硬度   7
結晶系  六方晶系、三方晶形
化学組成 SiO₂
色    無色、白色、黄色、灰色、褐色、ブルー、赤色
晶癖   潜晶質
光沢   ガラス光沢、脂肪光沢
条痕   無色~白
劈開   なし
断口   貝殻状
比重   2.7
透明度  半透明~不透明

その他
メノウは微晶質の精密な玉髄質石英で比較的ありふれた半貴石である。物理的性質はおおむね石英と同じである。ほとんどのメノウは古い溶岩などの、空隙に富む岩石中に生成する。メノウは通例、同心円状の縞状構造なのが特徴だが、苔メノウのように苔に似た鉱物を含むこともある。縞状の模様はメノウが沈殿した空隙の壁に平行になっていることが多い。縞の色調は包有されている包有物によって異なる。白、黄色、灰色、青色、茶色、ピンク、赤、黒など様々な色調がある。スライスして市場で販売されているメノウは本来の縞模様を染色して鮮やかさを増しているものが多い。メノウは多孔質なので、染色が楽にできる。メノウの層の内側に水晶や紫水晶ができていることがある。メノウには種類があり、例えば、フォーティフィケーションアゲートと呼ばれるものは角張った輪郭を持つ縞メノウの一種で、古代の城壁を上空から見下ろしたような模様を持っている。他にもレースアゲートという縞模様が細かくちぎれているようなものや、レースアゲートより模様が入り組んだクレイジーレースアゲート、青や水色、白色を持つブルーレースアゲートやブドウ状に固まったアゲートの層の間に酸化鉄が覆い、何層にも重なって褐色の虹色に反射するファイアアゲート、普通のアゲートより細かい縞模様があり薄く切って光を通すと虹色に見えることがあるアイリスアゲートや不純物が連なり水草や苔のような模様ができたモスアゲートなど様々なものがある。縞模様は団結した溶岩で起こる、溶けては固まってというプロセスによってできる。メノウは先史時代から加工されている。宝飾品として利用された鉱物の中では最も歴史が古いものである。今ではスライスしたりブローチやペンダント、カボッションに加工されることが多いモスアゲート(苔メノウ)には縞模様がない。白色、灰色の基質の中に褐色、黒色、緑色の苔や樹木を思わせる包有物を含んでいる。これは化石ではなく鉄やマグネシウムの酸化物、あるいは緑泥石であることが多い。包有物が褐色の場合はモカストーン、緑色の苔のようなデンドライトが包有されている場合インディアンモスアゲートと呼ばれることがある。スウィートウォーターアゲートは、米国ワイオミング州のスウィートウォーター河地域から産出するもので黒色のデンドライトを含むことが特徴である。モスアゲートは包有物がメノウの沈殿とともに成長したり、メノウの沈殿後に包有物が成長したりしてできる。アゲータイズウッドは木の幹の化石で、細胞を構成していた有機物がシリカに置き換わったものである。米国アリゾナ州の化石の森国立公園では、数百エーカーにわたって色調豊富な光景を作っている。

宝石