トパーズ 黄玉

トパーズ 黄玉

硬度   8
結晶系  斜方晶系
化学組成 Al₂SiO₄(F,OH)₂
色    無色、青、ピンク、褐色、黄、緑
晶癖   柱状
光沢   ガラス光沢
条痕   無色
劈開   底面に完全
断口   不平坦~亜貝殻状
比重   3.4~3.6
透明度  透明~半透明
屈折率  1.62~1.63

その他

トパーズはアルミニウムの珪酸塩でフッ素と水酸基を含んでいる。よく発達した自形結晶は菱形の断面を持ち柱面から縦の条線が現れる。多様の色調のものが産出するが、ブラジル産のシェリー酒色(麦わら色)の石が特に高価である。ピンクのものはさらに価値が高いが、天然は極めて少ない。1750年パリの宝石商がブラジル産の黄色いトパーズを加熱すると、ピンクになることを発見した。ブルートパーズはアクアマリンと肉眼で区別することは難しい。実際には市販されている濃いブルートパーズは、無色のトパーズに放射線を照射したり熱処理をしたりして作ったものがほとんどである。天然トパーズは退色しやすい。例えば、米国ユタ州の褐色トパーズは太陽光にさらしておくと退色し無色に近づく。無色のトパーズはブリリアントカットしたときにダイヤモンドと見間違えるほどよく輝く。17世紀のポルトガル王の王冠にセットされたバラガンダダイヤモンドはかつて、世界最大のダイヤモンドと考えられたが、今では無色のトパーズだと分かっている。トパーズはマグマ結晶化の最終段階で放出されるフッ素に富んだ流体によって流紋岩や花崗岩、ペグマタイト、熱水脈中に生成される。また、砂鉱床の中から円礫として発見されることもある。底面に完全な劈開が発達するために、トパーズは基部を岩石中に残したまま割れる。重要産地はロシア、ブラジル、ナイジェリア、米国があげられる。その中でも宝石品質のものは、米国のコロイド州、テキサス州、カリフォルニア州、量は少ないが、スリランカやミャンマーからも産出する。トパーズという言葉は1737年のことである。ドイツのサクソニー州から対象に産出した黄色い結晶がその対象だった。黄色い灰鉄ザクロ石はトパーズに似ているため、トパーゾライトと呼ばれることもある。トパーズという言葉は価値の低い石の市場競争力を増す目的として使われることもある。例えばシトリンはフォールストパーズ(偽物のトパーズ)、クォーツトパーズ(石英のトパーズ)、マデイラトパーズなどの名称に使われる。ブラジル、ブラジルエスピリト・サント州で1つの結晶で350kgもあるトパーズが採掘された。

宝石